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不登校のことを調べると出てくる「教育機会確保法」。何を定めた法律で、保護者にどう関わるのかを、文部科学省に載っている法律の条文と通知で確かめて整理しました(確認日は2026年10月4日)。
法律の言葉で、子どもの休養と多様な学びが認められています。
- ✔ 学校以外の場での学習活動の重要性が、条文に明記されている(第十三条)
- ✔ 個々の子どもの休養の必要性を踏まえて支援する、と書かれている
- ✔ 国と自治体に、情報の提供や助言などの支援を行う責務がある
■教育機会確保法は、何を定めた法律か
文部科学省の通知では、この法律は、教育の機会を確保するための施策について、基本理念を定め、国と地方公共団体の責務を明らかにし、基本指針の策定などを定めることで、施策を総合的に推進することを目的としていると説明されています(文部科学省の通知)。
法律の条文では、「不登校児童生徒」を、相当の期間学校を欠席する児童生徒で、学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である状況にあると認められるもの、と定義しています(第二条)。
5つの基本理念(第三条)
- 全ての児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保が図られること
- 不登校の子どもが行う多様な学習活動の実情を踏まえ、一人ひとりの状況に応じた必要な支援が行われること
- 不登校の子どもが安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られること
- 義務教育の段階の教育を十分に受けていない人の意思を尊重しつつ、年齢や国籍などにかかわりなく、能力に応じた教育を受ける機会が確保されること
- 国、地方公共団体、民間の団体などの関係者が、相互に密接に連携して行うこと
条文は、文部科学省に掲載されている法律の原文で読めます。
■法律が、国や自治体に求めていること
法律の第三章には、不登校の子どもなどへの教育機会の確保について、国と地方公共団体が行うことが書かれています。文部科学省の概要に沿って、条文の見出しを整理しました。
| 条 | 内容(見出し) |
|---|---|
| 第八条 | 学校における取組への支援 |
| 第九条 | 支援の状況などに関する情報の共有の促進 |
| 第十条 | 特別の教育課程にもとづく教育を行う学校の整備など |
| 第十一条 | 学習支援を行う公立の教育施設の整備など |
| 第十二条 | 学校以外の場での学習活動の状況などを、継続的に把握すること |
| 第十三条 | 学校以外の場で学習活動を行う子どもと保護者への、情報の提供・助言その他の支援 |
法律の第三章(第八条〜第十三条)の見出しより。多くの条文は「努めるものとする」という書き方です。出典:文部科学省に掲載の法律の原文(2026年10月4日確認)
第十条の「特別の教育課程にもとづく教育を行う学校」は、学びの多様化学校のことを指します。第十一条の「学習支援を行う公立の教育施設」には、教育支援センターが含まれます。
「努めるものとする」という書き方について
第八条・第十条・第十一条などは「必要な措置を講ずるよう努めるものとする」と書かれています。実際に何が用意されているかは、お住まいの自治体によって違います。
■学校以外の場での学びについて、条文に書かれていること
第十三条には、国と地方公共団体が、不登校の子どもが学校以外の場で行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の子どもの休養の必要性を踏まえて、その子どもの状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、子どもと保護者に必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとする、と書かれています。
フリースクールなどの民間の施設が使えるかどうかは、費用や助成を含めて自治体ごとに違います。東京都の助成金はフリースクールの助成金とは、フリースクールの費用は団体ごとの費用の比較で整理しています。高校段階の学び方は、通信制高校とはで整理しています。
■この法律について、知っておきたい注意点
■具体例:法律が通ったときの国会の「附帯決議」
具体例について
附帯決議は、法律を運用するときの配慮事項を、国会が付けたものです。法律の条文ではありません。
文部科学省の通知に書かれている、附帯決議の趣旨
| 児童生徒の意思 | 児童生徒の意思を十分に尊重して支援が行われるよう配慮すること |
|---|---|
| 不登校の受け止め方 | 不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮すること |
| 休むこと | 例えば、いじめから身を守るために一定期間休むことを認めるなど、児童生徒の状況に応じた支援を行うこと |
出典:文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について(通知)」(平成28年12月22日)より。衆議院文部科学委員会・参議院文教科学委員会の附帯決議の趣旨
さとこ
■夜間中学など、不登校以外のことも定めています
この法律は、不登校の子どものためだけの法律ではありません。第四章では、学齢期を過ぎた人で学校に通う機会が提供されなかった人が、夜間その他の特別な時間に授業を行う学校(夜間中学)で学ぶ機会を提供するための措置を、地方公共団体が講じることを定めています。第十九条には、義務教育を十分に受けていない人が、中学校を卒業した人と同等以上の学力を身につけたい場合に、教材の提供などの学習支援を行うよう努めることも書かれています。
■保護者として、小さくできる一歩
学校に、いまの状況を伝える
法律では、学校と児童生徒の信頼関係の構築や、一人ひとりの状況の把握が、国や自治体の取組として挙げられています
お住まいの地域の居場所を知る
教育支援センターや学びの多様化学校の有無は、教育委員会に聞けます
出席の扱いを確かめる
学校以外で学んだ日が出席として扱われるかどうかは、制度の記事で整理しています
ほかの選択肢と並べて考える
フリースクール、通信教育、通信制高校など、お子さんに合うものを並べて比べます
■関連する言葉
あわせて知っておきたい言葉
| 不登校児童生徒 | 法律では、相当の期間学校を欠席し、学校における集団の生活に関する心理的な負担などのために就学が困難な状況にある児童生徒 |
|---|---|
| 教育機会の確保等 | 不登校の子どもへの教育の機会の確保、夜間中学などでの就学の機会の提供、義務教育の教育を十分に受けていない人への支援 |
| 基本指針 | 文部科学大臣が定める、施策を総合的に進めるための基本的な指針(第七条) |
| 附帯決議 | 法律の運用に関する配慮事項として、国会が付けるもの。条文ではない |
| 夜間中学 | 夜間その他の特別な時間に授業を行う学校(第四章で、就学の機会の提供を定めている) |
■教育機会確保法に関するQ&A
Q. この法律で、不登校が認められるのですか?
A. 法律では、不登校の子どもが学校以外の場で行う多様な学習活動の実情を踏まえて支援を行うことが、基本理念に書かれています。個々の子どもの休養の必要性を踏まえることも、条文に書かれています。
Q. この法律があると、学校以外での学びは出席になりますか?
A. この法律そのものは、出席の扱いを定めたものではありません。出席扱いの制度は、別の文部科学省の通知で整理されています。くわしくは出席扱い制度の記事をご覧ください。
Q. フリースクールの費用を、国が出してくれますか?
A. 法律の附則には、教育機会の確保などのために必要な経済的支援の在り方について、政府が検討する旨が書かれています。実際の助成は、自治体ごとに違います。
Q. いつから施行されましたか?
A. 公布の日(平成28年12月14日)から起算して2か月を経過した日から施行されています。ただし、夜間中学などに関する第四章は、公布の日から施行されています。
■【まとめ】法律の言葉でも、多様な学びと休養が認められています
教育機会確保法は、不登校の子どもが学校以外の場で行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた支援を行うことを、国と自治体の役割として定めた法律です。実際にどのような支援があるかは、お住まいの自治体で違います。
まず小さくできる一歩は、お住まいの教育委員会や学校に、どんな支援や居場所があるかを聞いてみることです。
家庭で学ぶ方法を探すときの選択肢として、オンライン教材のすららに、不登校のお子さん向けの案内ページがあります。出席扱いにするかどうかは、学校と教育委員会の判断です。事例はすららの出席扱いにまとめています。
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